JDFで何ができるの?

◆ 生産作業を効率化できます!
◆ 迅速な経営判断ができます!
◆ 人的ミスを軽減できます!

これらが何故かというと・・・JDFという共通フォーマットにより情報がデジタル化され、システム同士が直接コミュニケーションできるからです。例えば、基幹システムやMISと 工場内の印刷生産機材が、JDFで直接コミュニケーションできることにより・・・

  • 印刷予定の指示や印刷機材のセットアップが自動化され、生産作業の効率化が可能です
  • 進捗報告が自動化され、正確な実績・進捗情報が、迅速に経営システムに伝えられます
  • 手作業による機械設定や業務日報等による実績報告における人的ミスが発生しなくなり、情報伝達ミスによる作業や報告のやり直しがなくなります
cip4
メタテクノはCIP4のメンバーとして、JDFの活用を推進しています。
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用語解説 & Meta's eye

一般的な用語の解説に加えて、メタテクノ独自の視点で、豆知識なども紹介します。

JDF
jdf
こんなアイコンで表します

Job Definition Formatの略です。
商業印刷においては、デザインから印刷、加工、配送までの様々な工程で、様々なソフトウェアや機器のコントローラが用いられます。JDFは、それら全てのシステムにおいて、メーカーの壁を超えて印刷ジョブの指示を伝達することを目的とした、共通フォーマットです。国際標準化団体であるCIP4によって提唱されています。JMF(Job Messaging Format)というメッセージコマンドの仕組みを持っていて、ジョブの進捗情報のやりとりも可能です。
CIP4の前身であるCIP3で考案されたプリントプロダクションフォーマット(PPF)と、アドビ社でPDFを対象として考案されたポータブルジョブチケットフォーマット(PJTF)は、それぞれ独自フォーマットで記述されたものでした。しかし、JDFは、このPJTFとPPFを包括し、標準的なXML言語で表現されています。
実運用としては、JDF仕様をベースとして、該当する工程で必要となる所作に伴う仕様を規定した“ICS”に従って動作するものとなっています。リリースされている最新のバージョンはJDF1.6です。
metas_eye
JDFのロゴは注意して見ると以下の二種類があります。「J」の尻尾がくるりと回って矢印に繋がっているものがオリジナルです。矢印の尻尾が羽のようになっているものは2006年から2007年頃出されたものですが、その後、ロゴ統一がアナウンスされて、真ん中のロゴになりました。そしてさらに新しくなったのが左のロゴです。右2つのロゴは現在一部ドキュメントにその図柄が残るものの、CIP4ホームページからダウンロードできる正式ロゴデータから外されています。

jdflogo_new
新しいロゴ
jdflogo_old1
旧ロゴA
jdflogo_old2
旧ロゴB

JMF
jdf
こんなアイコンで表します

Job Messaging Formatの略です。
JDFで連携されたワークフローにおいて、作業の進捗状況やジョブ仕様の変更情報などをシステム間・工程間で通信するために用意されたフォーマットです。Query(問合せ)、Command(コマンド)、Response(応答)、Acknowledge(結果通知)、Signal(シグナル)などのメッセージコマンドをサポートしています。
metas_eye
このJMFによって、各工程の状態や進捗状況を問合せたり、報告をやりとりしたりしますが、メーカーやシステム、時にはそのバージョンによって、通知できる内容やそのタイミングが異なることがあります。それらの特性をしっかり理解した上で、利用する環境にベストなワークフローを構築することが、JDF導入成功への近道です!


XJDF
xjdf
こんなロゴで表します

JDFの次期バージョンとしてJDF2.0とも呼ばれていましたが、今では正式にXJDFとなりました。
JDFはもともと印刷に関わる全ての工程を1ファイルに記載することを目指していたため、膨大なパターン、量の情報を扱うフォーマットとして、どうしても複雑な仕様となっていました。それを後述のICSというサブセット的な仕様によって補足し、使うシーン、接続するシステムによって、膨大なJDF仕様のどの部分をどのように使うかということを規定してきました。
しかし、JDFの複雑な仕様は、新たなデバイスやアプリケーションがJDF対応するにあたっての参入障壁となっており、どうすれば簡単にJDF機能を実装することができるか、ということが大きな課題となっていました。また、JDFはXMLベースで規定されているのですが、独自性を持った部分もあって扱いにくいところがあり、それを現在主流となっているXMLの形式にしたいという要望もありました。
これらの課題・要望に応えるものとして、何年もの検討の末に、2018年にXJDF2.0-FinalとしてXJDFの仕様が公開されました。2.0というのはJDFから数えてのバージョンとなっており、XJDFとしては最初のものです。
XJDFの特徴としては、とにかくシンプルな構造を目指しており、全ての工程を記載するのではなく、ひとつの工程のみ記載できるようになっています。JDFとは想定する情報の流れに下記のような違いがあります。

JDFFlow

JDFでは、連続した工程、例えば簡単にPrePress→Press→PostPressという3つの工程があったときに、まずMISはPrePressにJDFを投入し、そこで更新されたJDFがPressに流れ、さらにPressで更新されたJDFがPostPressに流れるという考え方になっていました。

XJDFFlow

XJDFでは、直接コミュニケーションをする2つのシステム間だけでの情報の流れを想定しています。基本的には、MISからすべての工程に対して、それぞれ必要な情報だけを送ることになります。

metas_eye
XJDFは、これから新たにJDFを実装しようとするメーカーやMISベンダーにとっては、取り組みやすいものになっているとの触れ込みですが、実際のところは実装済みのシステムが少ないため、XJDFだけを実装しても接続できるシステムがないという事態に陥りがちです。ただし、実装済みシステムと接続するにあたっては、新しい機能はXJDFだけで実装されていることなどもあり、XJDFを利用する価値があるシーンも出てきます。特にMISとしては、当面の間、JDFとXJDFのバイリンガルであった方が良く、必ずしもXJDFによって楽になったとは言えないです。
メタテクノとしては、JDFであってもXJDFであっても、接続先のシステムにとって最適な仕様を選択して接続できるように様々な形で支援をしていきます。


CIP4
cip4
公式サイト https://www.cip4.org

The International Cooperation for the Integration of Processes in Prepress, Press and Postpress Organizationの略で、シップフォーまたは、シーアイピーフォーと読みます。
印刷における全工程の統合管理のための国際標準化団体です。非営利組織としてスイスに本部を置いていて、現在、メーカー、印刷会社、学術機関など、300以上の機関、個人にして1600人以上のメンバーが参加しています。
日本国内でのCIP4活動は、CIP4の分科会である下記の2つのワーキンググループを中心に行っています。いずれも、「日本ローカルの運用課題や固有問題を」「日本時間に」「日本語で」、話し合えるということを目的として設立されたものです。話し合った結果をCIP4本部にフィードバックし、また、本部からの情報を日本メンバーに伝達する役割を担っています。

  • Japan Technical Working Group (JTWG)
    印刷における日本独自の運用や問題点を取り上げて、JDF仕様に組み込むなどの技術的な推進活動をしています
  • Japan Business Networking Group (JBNG)
    展示会でのプロモーションの企画や日本版Interop(Mini Interop)の開催など、日本でのビジネスの普及と発展を推進しています

メタテクノは、CIP4の一員として、上記の2つのワーキンググループにも参加しています。


CIP3

International Cooperation for Integration of Prepress, Press, and Postpressの略で、シップスリーまたは、シーアイピースリーと読みます。
「Prepress(印刷前工程)」、「Press(印刷)」、「ポストプレス(印刷後加工)」の生産工程におけるデジタル統合化を進めるために、ハイデルベルグ、アグフア、アドビ、マンローランドが中心となって立ち上げた協議会です。また、ここから生まれた仕組みも、そう呼ばれます。
CTPが導入されている環境の下、CIP3に対応したシステム間では、PPF(Print Production Format)という独自のフォーマットを用いて、プリプレス工程で確定する情報を印刷工程以降のシステムに送ることによって、インク量の調整や刷版の見当合わせなどの複雑な処理を自動化することができます。CIP4の前身です。


ICS

Inter-operability Conformance Specificationの略です。
商業印刷全工程での情報を記述するJDF仕様の中で、特に、各工程間でインターフェースを持つシステム間の動作や、固有機能を定義した個別仕様のことを言います。
全体共通の基本事項を示すBaseICS、JMFの動きを示すJMFICSの他に、”MIS to Prepress ICS”, “JMF ICS”, “Prepress to Conventional Printing ICS”, “Integrated Digital Print ICS”, “MIS to Finishing ICS”など、細かく10以上に分かれています。技術者は自分の担当するシステムに関連する部分のみを見ればよいこととなっています。
JDF仕様がバージョンアップすると、それを追いかける形で、ICS仕様も更新されることが多いです。
JDF1.3ではこのような形でICSが用意されていました。
ics
metas_eye
このICSという言葉については、ウェブ上ではいろいろな日本語訳がされていますが、“これが正式”というものは実は存在しません。そのため、上記の意味を理解した上で、“ICS”と呼ぶのが最もしっくりくる使い方だと思われます。ICSは必要に応じて新しいものが規定されることもありますが、Ver.1.5でおおむね出揃ったようです。最新のICSはこちらから入手することができます。


Interop

Inter-Operability の略で、インターロップと読みます。直接にはシステム間の接続性を意味するが、CIP4メンバー間では、CIP4本体が開催するミーティングイベントのことを、こう呼んでいます。
2003年に始まったこのイベントは、現在、年に2回の割合で定期的に開催されています。JDFビギナーに対する技術チュートリアルを提供していますが、JDFに関わるメーカーやユーザーが集まって、現行JDFに対する要望や課題を広く議論し、仕様の改善に伴うバージョンアップを進める場でもあります。また、各社にて開発しているJDF製品やそのシミュレータを持ち寄って、それぞれのJDFによる接続性を検証する場としても重要な役割をなしています。開催地は、基本的にはヨーロッパ-北米-アジアパシフィックの順で、ボランティアでホストをすると名乗りを上げてくれた企業の用意した場所で行うことになっています。
2007年から、日本国内版Interopである“Mini Interop”が何度か開催され、日本国内のお客様サイトでの運用をシミュレーションする絶好の機会となっていました。
metas_eye
メタテクノは2006年(第11回)より、“Interop”に参加しています。以降、数多く世界各地で開催されたInteropに出向いて接続テストを行いました。

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